皆様あけましておめでとうございます!
昨年は『かなちゃんは魔法少女』の制作を応援いただきありがとうございました。おかげさまで先行体験版の公開まで辿り着くことができました。
発売予定は半年前に出したものから変更なしで2020年2月となっています。後一年よろしくお願いいたします。
さて、そんなわけで去年一年間の振り返りとして、一年間計測し続けたゲーム制作の作業時間をまとめて所感を書いていきます。
※作業時間はRescueTimeというソフトを使って計測しています。この計測時間はざっくり説明すると「実際に手を動かしていた時間」になります。ソフトの前で手を止めてぼんやりしたり考え事をしてると時間は計測されません。
2018年の作業時間推移
(参考)2017年2月からの作業時間推移(『かなちゃんは魔法少女』製作開始は2017年8月中頃から)
【計測していて気づいたことまとめ】
●ゲーム制作に当てる作業時間がどんどん下がってる(ヤバい)
・制作期間が長くて、モチベーションが低下してきた(正確にはちょっと違う)
・アクセルを入れられるシステム部分(得意分野)がほぼ完成した
●作業内容によって消費MPの差がある
・得意な作業がほぼ終わってしまったので、残ってる作業は燃費が悪い。
・時間という指標で見ると、消費MPの低い作業の方が進んでいるように見えてしまう。
・自分自身が勘違いして「作業進んでない……」と負のスパイラルに陥らないようにする必要がある。
●今後の対策(文字にして伝えやすいものだけ抜粋)
・満遍なく敗北イベント作成
・特に差分画像は満遍なく増やす ← 体験版での失敗点
書き出してるうちにまとめだけで十分な気がしてきたのですが、一応一つずつ解説していきます。
でも全部読むとめちゃくちゃ長いです! 『かなちゃんは魔法少女』の敗北イベントぐらい長い!
それでは行きます!
●ゲーム制作に当てる作業時間がどんどん下がってる
まずは一つ目、シンプルで単純にヤバい問題点! とはいえいろいろな要素が絡んでいて単純ではないので分解していきます。
・制作期間が長くて、モチベーションが低下してきた(正確にはちょっと違う)
モチベーションの低下はシンプルなんですが、 制作が一年以上続いているので、年単位でずっとモチベーションを維持するのはそろそろ厳しいみたいなのです。
正しくはモチベーションの低下と言うよりは、『かなちゃんは魔法少女』の制作以外でコーディングする作業が出来たときに、そっちに浮気する時間が増えてしまった、というのが正確な言い方かもしれません。
例えるなら365日カレーを食べ続けるとだんだん他のものも食べたくなってくる感じ。いくらカレーが好きでもたまには一ヶ月ぐらい一日三食のうち二食をカツ丼にしたくなるみたいな。
・アクセルを入れられるシステム部分(得意分野)がほぼ完成した
次に、得意分野のシステム部分がほぼ終わってしまった点です。体験版をプレイしていただいた方は分かると思うのですが、ボスのギミックは殆ど体験版で公開しています。出してないのはラスボス関係だけですね。なので、これ以上プログラムを書いてアレコレすることがない。
自分ではバランスよくやってきたつもりなのですが、単純に経過時間だけ見てバランスを取っていたので、全体的な必要時間と効率まで考えられていなかったようです。
おまけに「え!? システムほぼほぼ完成してるのにまだ完成予定まで一年かかるの!?」っていう状況、自分でもかなり頭がバグるんですよ。「システムが終わったんだから後ちょっとじゃない?」「いやまだ一年かかるな……もっとかかるかも……」というサイクルを数週間ごとにぐるぐる行き来して頭がバグっていく感じ……。
とはいえこれは間違いなくデータから出した予測が正しいのです。少なくとも予測より早い方に動くことはないでしょう。「もうすぐ完成」と報告した後、年単位で完成が遅れるサークルさんを……いくつも見てきましたので……。その意味が今ようやく、実感を持って理解できた気がします。
(でもこれ、他のサークルさんだと「絵はできたけどシステムができてない」って状況をよく見るので、得意分野の違いが見積もりのミスにそのまま出ていてちょっと面白いですね。いや面白くないんですが。苦しいんですが)
●作業内容によって消費MPの差がある
次の大項目です。考えてみれば辺り前のことではあるのですが、得意分野とそうでない分野だと消費MPがかなり違う……つまり、一日あたりの集中力が保つ時間が違うんですよね。
具体的に言うと、プラグインの作成や調整などのコーディング作業ならRescueTimeの計測でも8時間行けることがあるのですが(数日後に反動が来ますが)、絵を描く作業だと三時間ぐらいが限度なのです。(普通の個人サークルさんは、これが逆のことが多そうですが)
多分、「考えずに手を動かせる」知識の違いだと思います。絵を書くときはずっと「何か上手くいかないな……」って悩んでるので、その分集中力を消費してしまうのかなと。
もっと定石というか、手癖で描ける範囲を増やせるとイラスト作業の消費MPは減らせそうな気がします。例えば断面図とか受精卵とかチンコとか精液とか受精卵とかの描き方は、体験版で大分知識がついてサラッと描けるようになってきた気がするので、そこの作業は前より速く長く描けるかな……。
そんなわけで、得意分野のシステム分の作業が終わった今、使うエネルギーは同じでも見た目の作業時間が下がった状態になる、という状態です。この解釈が正しいかどうかは自分でも分かりませんが。
これを作業時間という指標で見てしまうと、システム部分の作業をしていた頃のほうが作業の方が進んでいるように見えてしまうんですね。それで自分自身が勘違いして「昔より作業進んでない……」と負のスパイラルに陥らないようにする必要がある。人間の頭、本当に簡単にバグって落ち込んでしまうので。
●今後の対策
さて、反省点を上げたので次はこの一年を乗り切るための対策です。このまま作業時間が下がって墜落するわけにはいきませんので。
とはいえ、技術的な作業環境の改善とか、体力的な肉体の改善とかは既にやった上で、残る対策として書き出せることは精神的なものが多くなってしまうわけです。
とりあえず伝えやすい技術的な対策として「満遍なく敗北イベント作成」一つ上げておきます。
これは基本的なことと言うか、発売予定日が来たときに「無念! ここまで!」って終わらせても作品として問題ない状態するための手順ですね。創作において理想100%を目指すのは難しいというか不毛なので、締め切りが来たときに満遍なく理想の85%ぐらいを超えていて、かつ通しプレイが出来る状態に持っていきたい……。
それで、この満遍なく作るという心がけ、体験版の作業のときもやっていたことなんですが、一つだけ、差分を作るところでちょっと誤ってしまったのです。画像の人物とか背景とかのベースは満遍なく作ったのに、差分の制作はそこから一イベントずつ順番に作ってしまったのです。そのために最初の差分ボリュームが増えて、それに合わせてほかを作ると……「体験版! 終わらん!!」となってしまったのでした。
おまけに差分を作るの、思っていた以上に時間がかかるんですよね。「このイベントは後は差分を作るだけ→10時間経過」みたいなことが頻発しました。これは差分たっぷりのえっちなイラストを練習してあらかじめ経験値を貯めておけば避けられたのかもしれません。後悔先に立たず。
そんなわけで、まずは心を鬼にして、差分は見せ槍と先っちょ入れと中出しと挿入したまま溢れてくるのと精液が糸を引いている、の5枚ぐらいに限定して作ります……(そこは私のカレーにとっての”ルー”なのです)。
さて、最後のまとめとして現時点の感想。
「最初のゲームはシンプルに」に従ってゲームを作って(4ヶ月)、「それをちょっと(ちょっと)ボリュームを上げる」という安牌のつもりのやり方で作ってみても、作業時間が爆発するもんだなぁというのが今のところ一番の感想です。多めに見積もった発売予定がかなりカツカツになっています。
それはそれで一つの収穫ですし、痛い目を見て完成させないと分からない点でもあるので次回作以降のゲームを作るときの参考にしたいですね。
『かなちゃんは魔法少女』の体験版のボリュームで完成するぐらいが丁度良いのかもしれません。それで自分が納得できるかは別として。
反省点を中心にしたのであんまり明るいことは書けませんでしたが、とはいえまだ発売予定には間に合う計算にはなっています。
発売予定まで一年あるので、なんとかやりくりして間に合わせたいところです。
それでは、ゲームの完成まで今年もよろしくお願いします。